謎のグリーンスタンプ?
謎のグリーンスタンプ! いったいこれは?
ドイツのマイセンのオークションサイトやショップを見ていると、たまにこのようにマイセンマークの脇に緑色の数字が印刷してあるマイセンが見受けられます。(画面クリックで拡大します)
そして、今回骨董商から購入したアラビアンナイトにもこの謎のグリーンスタンプが…
この数字が表すものは、5桁の数値であることから通常は素地に刻印してあるフォームナンバーであると容易に想像がつくのですが、なぜ刻印ではなくスタンプ押しなのかが分かりません。
(実際に調べてみたら、やはりフォームナンバーでした)
ドイツ人の骨董商に聞いても、いろいろと理由は述べられたが納得のいく返事が得られなかったのでちょっと調べてみました。
(注:結局理由は分からなかったので興味のある方のみ見てみてください)
よ~く見るとわかるのですが、上記グリーンスタンプのマイセンにはある共通点があります。
なんだかお分かりになりますでしょうか?
そうです。
すべて、マイセンマークの右側、高台の近くに青い線が入っているのです。
これは東独時代のマイセンにみられるもので、
1953~1972年には双剣マークの下、高台の近くに、
1972~1980年には双剣マークの右、高台の近くに、
1980~1985年には双剣マークの左、高台の近くに、
青い線が入っています。
(ちなみに2級品はこの部分にスクラッチが2本入ります)
(下の写真を見るとわかりますが、ドイツなのでこの年代表記がきっちり管理されているかと思いきや、そうでもなさそうです)
すなわち、1972年から1980年の間に作られたマイセンにみられる特徴であるということが分かりました。
では、さらに年代をしぼれないのか?
そこで、思いついたのがマイセンが毎年だしているイヤープレートです。
このイヤープレートの裏側を順を追って見ていけば、何かわかるのではないか?と思い調べてみました。
1957年イヤープレート
1967年イヤープレート
1971年イヤープレート
1972年イヤープレート
1973年イヤープレート
1974年イヤープレート
1975年イヤープレート
1976年イヤープレート
1977年イヤープレート
1978年イヤープレート
1979年イヤープレート
1980年イヤープレート
BINGO!!!!!
見事に『1973年』のマイセンにだけ、グリーンのスタンプでフォームナンバーが刻印されていました。
なぜか、マイセンでは1973年に作成したものに限り、フォームナンバーをスタンプ押ししていたのです。
ではこれで逆に、グリーンスタンプが押してあるマイセンは1973年に作られたものであると言えるのでしょうか?
実はマイセンでは1948年から、やはりフォームナンバーを刻印している高台内側に毎年異なった『イヤーサイン』という目印を刻印しています。
これを見ると、1973年のイヤーサインはギリシャ文字のΩ(オメガ)のような、〇の下に_が書いてあるような印であることが分かります。
では、今回購入したアラビアンナイトのソーサーをもう一度見てみましょう。
見えますでしょうか?
マイセンの高台内側の刻印はフォームナンバーに限らず、見えにくいものが多いのですが、はっきりと1973年のイヤーサインが見て取れますよね♪
やはり、マイセンでは1973年に作成したものに限り、何らかの理由でフォームナンバーをスタンプ押ししていたようです。
何故なのかはまだ謎なのですが、私はこれで、このマイセンらしからぬグリーンスタンプ押しのものも、間違いなくマイセンであると言えると確信いたしました。
今後さらに謎を追っていきたいと思います。
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